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水無月の贈り物

水無月と書くのに、今日は朝から雨。

「すまないな。せっかく訪ねてきてくれたのに」

オオクニヌシさんが申し訳なさそうに謝ってくる。

「いいんですよ。私の方こそ、忙しいのに「逢いたい」なんて無理を言ってしまって」

「ふふっ。そなたに逢いたかったのは、私も同じだ」

そっと、大きな掌が私の髪を優しく撫でてくれた。

触り心地がいいように。いつ撫でられてもいいように。そんな理由で、トリートメントをしているこの髪。

「綺麗な髪だな。叶うのなら…ずっと、こうしてそなたに触れていたいな」

好きな男性(ひと)にそう褒めてもらえると、自然と笑みが零れてくる。

髪のお手入れの時間は私にとって好きな時間。自分の身体を愛しむ感覚を思い出させてくれるから。あなたが好きだと云う私の存在(こと)を大事に出来そうな。そんな大切な時間だから。

あの時間が、こうしてあなたにとっても楽しいひとときや、かけがえのない想い出に変換されるというなら、そうやって優しく微笑んでくれるというなら、私の好きと喜びは倍になる。

 

小高い丘から天の国の集落が見える。道行く人達の傘の花が咲いている。

雨の香りと音。水を含んだ柔らかい土の感触。ササユリも紫陽花も雨に濡れている。

ふっと上を見上げたら太陽を待ちわびるどんよりとした空。

「寒いですね」

「そうだな」

あなたが自分の上着を脱いで、私に着せてくれた。

「だっ大丈夫ですよ!」

「気にするな。大事なそなたが風邪をひいては大変だ」

ふわりと薫るお香。上品な香り。ああ、この香りは私が「好き」と言った香りだ。あなたの香りと体温と少しの湿気が染みた上着は私の頬をぽっと赤くさせる。

「どうした?」

「なっ何でもないです!!」

「そうか?」

夏が来たら、きっと水無月の憂鬱は忘れてしまう。

 

でも

 

「…オオクニヌシさん」

「何だ?」

「梅雨もいいものですね…寒いですけど…」

「そうか。なら、もっと私に近づいたらいい」

私はそっと貴方に寄りかかってみる。ねぇ、雨の冷たさを言い訳にさせて。

 

だって、今日はもう少しだけあなたのそばにいたいから。

Crazy about…

※土方×オオクニヌシ

※拷問シーンあるよ!苦手な人は回れ右!

※流血シーンあるよ!苦手な人は回れ左!

※ちょっとSMっちくなシーンあるよ!苦手は人は回れ右!

※土方さんがイッちゃっているよ!病んでるよ!

 

とある時代

とある国

 

この国の貴族。オオクニヌシが領土の民の様子を一人で見に行こうとしている姿を、護衛(ボディーガード)である土方が発見した。

「オオクニヌシ殿。一体、何処へ?」

「ああ、ちょっと民の様子を見に行こうと思って」

「お一人で。ですか?」

「ああ」

「危ないぞ。俺もついていこう」

「ふふっ、土方は過保護だなぁ」

土方が少し怒ったような表情(かお)をする。

「貴方に何かあったら、執事のヤチホコに怒られるのは俺だからな」

(違う。俺がオオクニヌシ殿。お前についていく本当の理由は―――)

「土方?」

オオクニヌシの声で土方は我に返る。

「わかった。では、ついてきてくれ」

「はい」

 

穏やかで優しいオオクニヌシは民の人気者であった。

「オオクニヌシ様!」

「オオクニヌシ様がお見えになられたぞ!」

オオクニヌシの姿を見つけるや否や。農作業の手を止め、民達が駆け寄ってくる。

「よいよい。皆の者。そのまま作業を続けてくれ」

あっという間にオオクニヌシの周辺には人だかりが出来てしまった。

笑顔のオオクニヌシに対し、土方は相変わらず険しい顔をしている。

 

すると

「死ね!!!オオクニヌシ!!」

と、鈍く光る刀を手にした男がオオクニヌシに襲い掛かってきた。

刀はオオクニヌシの左手の白い手袋を切り、その皮膚から鮮血が零れた。

民衆は悲鳴をあげ、混乱(パニック)状態の中。土方はすかさず自分の外套(コート)を男に被せ、取り押さえた。

「オオクニヌシ殿!大丈夫か!」

「案ずるな。軽傷だ。他に怪我をした者はいないか?」

オオクニヌシは周囲に呼びかける。

「皆、無事のようだな」

ほっと安堵の胸をなでおろした。

土方は悔しそうな表情を浮かべる。

「すまない…俺がもっと早くに気付いていれば…」

「いや、そなたが迅速にこの者を捕まえてくれたおかげで、被害は最小限で済んだ。ありがとう、土方」

(「最小限」…か。俺にはとっては、そうではないのだがな)

「さあ、立て!来い!」

土方は男を立たせ、何処かへ移動をし始めた。

「オオクニヌシ殿。早急に宮殿に戻って、ヤチホコに手当てをしてもらってください。俺は、こいつから黒幕の存在を聞き出します。その間。何人たりとも絶対に『あの部屋』に入らないように」

「…あの部屋?黒幕の存在を聞き出す?」

(まさか、土方の奴。拷問室であの男を!)

「土方!」

「何か?」

「実行犯とはいえ、あまり残忍なことはしないでくれ」

その刹那。オオクニヌシにたいし、何か言いたげな表情を土方はしていたが、言おうと思っていた言葉をそのまま呑み、答えた。

「…ああ」

 

そして、地下にある拷問室。混凝土(コンクリート)作りの密室。

その扉を開けると、湿気の臭いがする。床や壁には血の跡が残っている。

土方は、この湿気と血の混じった臭いが気に入っていた。

理由らしい理由は特に無いが、彼が人を斬り殺した時のあの何とも形容しがたい高揚感を思い出してくれるからかもしれない。

「入れ」

土方は男を中に入れ、全裸にして縄で縛ると、天上から吊るした。

 

ピシ!

ピシ!

 

鞭で男を叩く

「叩いた箇所(とこ)が、ミミズ腫れになっているぞ」

男を叩く手を止めた。

「さあ、黒幕は誰だ?答えろ」

「…」

「ちっ!強情な奴だな」

土方は舌打ちをして、細い針を一本取り出し、男の右手の小指の指と爪の間に針を入れ始めた。

「うぎゃああああ!」

男は悲鳴をあげた。

「流石に、これは効いたようだな。指先は神経が集中しているからな」

くくっと低い声で土方が嗤いながら、薬指。次は中指。と、いうように次々と針を刺していった。

「やめてくれ!!うわあああ!」

「止める訳ないだろう?俺の大事な人を、傷つけようとしたこの手を許すわけないだろう?」

「大事な人???おっ!お前の主人か!?」

「そうだ。ああ、俺の大事な人だ」

「オオクニヌシ殿は、俺の密やかな恋の相手だ」

「こっ恋??」

「そうだ。だから、あいつを傷つけようとしたお前を許さない」

拾(じゅう)の指、総てに針が刺さった。

「痛いだろ?」

悶絶する男の耳元で土方が囁く。

「まだ吐かないのか?立派なものだな」

「黒幕は…いない…俺、ひとりの犯行だ…」

「そうか。じゃあ、お次はコレだな」

土方はペンチを取り出して、男の右手の親指の生爪を一枚剥いだ。

「ぎゃああああ!!」

「本当か?」

土方は嗤いながら、次々と男の生爪を一枚。また一枚と剥いでいった。

彼には悲鳴さえも上質な音楽のような心地よさをもたらしていた。

 

そして、青白い満月が宮殿を照らす頃。

「土方。土方」

土方と実行犯の様子が気になったオオクニヌシはランプを右手に。左手に救急箱を持ち、そっと拷問部屋の扉をノックした。

(普段から「この部屋には入ってくるな」とは言われたものの…土方の奴。何をしでかすか分からないからな。私が止めにいかないと…)

しかし、応答は無い。

(いないのか?)

腕時計が目に入り、オオクニヌシはある事に気付く。

(そうだ。今は休憩中の筈だ。なら、入るのは今しかないな)

鍵を使って扉を開けて、目に入ってきたのは驚愕の光景だった。

天上から吊るされた血だらけの男の姿に、オオクニヌシは絶句した。

「こ…れは…?」

恐る恐るオオクニヌシが男に近づく。

虫の息だが、まだ男は生きているようである。

「大丈夫か?」

「…う」

「すまないことをした。手当てをしよう」

天上から男を下し、縄を外そうとした。

 

その刹那――――

「何をしている?」

オオクニヌシの背中から聞き覚えのある声が聞こえた。

聞きなれたその声は恐ろしいまでに冷静沈着で、背筋が凍りつくのをオオクニヌシは感じた。

「オオクニヌシ殿…まさか、そいつを助けようとしていたのか?」

一歩。また一歩。静かに足音が近付いてくる。

冷たさを孕む声に、オオクニヌシは振り返ることが出来なかった。

小刻みに震えるその身体を土方は後ろから、抱きしめた。

「そいつを助けようとしているのか?お前は、本当にお人よしだな」

土方はオオクニヌシの耳元でそう囁き、ふうと息を吹きかけた。

「そいつはお前を殺そうとした奴だぞ。助けて、また攻撃しに来たらどうする?」

「…」

「震えているな。だから、この部屋に入るな。と、あれだけ忠告(いって)おいたのに」

「…」

「約束を破ったな。主人とはいえ、仕置きが必要だな」

土方がオオクニヌシの首に舌を這わせた。

「ひっ土方!?」

「好きだ。オオクニヌシ殿。誰よりも」

土方の腕から逃げようとするオオクニヌシをそのまま押し倒した。

「人に見られながら、犯される。と云うのはどうだ?」

「ちょっ!土方…んっ!!」

唇を塞がれ、何か液体を飲まされた。

「…コレは?」

「催淫剤だ」

「!?」

土方はオオクニヌシの腕を上に上げ、布で縛り上げた。

そして、目隠しをして、そっと頬に優しく触れた。

「…あっ」

甘みを孕んだ声がオオクニヌシの唇から零れた。

その声を合図に、土方はキスをしながら。舌を絡ませながら、オオクニヌシの服を脱がしていった。

そして、指でかき混ぜていく内に蜜が溢れた口に挿入し、腰を動かし始めた。

卑猥な音が部屋中に響く。

「…ひっひじ…土方…」

「どうした?」

「もっと…もっと気持ちよくなりたい…」

「分かった」

土方はオオクニヌシに馬乗りになると、そっとオオクニヌシの首にそっと手をかけた。

「お前の首を絞めてやる。覚悟しろよ」

少しだけ手に力を入れながら、腰をふると

「うっ、うっ」

すると、それまでの甘さを孕んだ声から、少しだけ苦し喘ぐ声に変っていった。

痛気持ち良いような表情を浮かべ、しまりもよくなる。

(そろそろ、頃合いだな)

数秒後。手の力を緩めると、目隠しが少し外れ、そこにはトロンと微睡む表情を浮かべるオオクニヌシがいた。

「気持ち良かった…」

「そうか。苦しくなかったか?」

「ああ…」

ふっと、土方は実行犯の男が勃起していることに気付いた・

「おい、見ろよ。あいつ、勃起(たっ)ているぞ」

「えっ?」

「見せつけてやれよ」

すると、今度は土方が下になりオオクニヌシを後ろ向きに腰を下ろさせると、背後から太股をすくい上げ、挿入し、股を大きく開かせ、結合部が実行犯によく見えるような姿勢(ポーズ)にした。

「ちょっ!…ひっ!土方!!」

お構いなしに、そのまま土方はオオクニヌシを攻めはじめた。

「んっ!んんっ!!やっ!」

「どうした?見られて恥ずかしいのか?」

「当たり前だろ…」

赤面のオオクニヌシを見て、土方はニヤッと笑った。

「恥ずかしいけど、気持ちいいのだろう?」

再び頷くオオクニヌシの反応を見ながら、土方は腰の動きを激しくしていった。

「イクッ!!土方ぁ!イクゥ!」

「俺も…そろそろだ」

 

そして、2人は宇宙の彼方へ意識を飛ばしていった。

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アンセルフィッシュな恋人

※土方×オオクニヌシ

※現パロ?

 

今日もお前は、緑色の列車に揺られて出勤。

最近のお前はずいぶんお疲れのようだ。

花が好きなお前の為に、花を買って帰ろう。

この前、花瓶にさした薔薇の花は気に入ってくれただろうか。

 

残業続きでエナジードリンクが友達のようだが、身体は大丈夫か?

そうそう。ソファーでそのまま眠るのはやめた方がいいぞ。

風邪をひいたら、大変だからな。

俺が気付いたら、毛布はかけるようにはしているが。

インフルエンザも流行しているようだから、気をつけるように。

 

ほら、エナジードリンクの代わりに一日分の野菜が摂取(とれ)るという野菜ジュースを買ってきた。

気休めかもしれないが、無いよりマシだろう。テーブルの上に置いておくから、会社に持っていけよ。

返事は?

…まぁ、いい。

そうそう。スーパーで甘酒が安売りされていた。

甘酒は疲労回復にはいいと聞いたから、冷蔵庫に入れておくぞ。

夕飯に使えるように、豚肉も買っておいたから、コレも一緒に入れておくからな。

テレビのCMでやっていたのだが、白菜と豚肉のミルフィール鍋なんてどうだ。

野菜も肉も摂取(とれ)るし、身体もあったまる。

一石二鳥だと思わないか。

 

最近、知らない男につきまとわれている。と言っていたな。

俺がついているとはいえ、心配だ。夜道は気をつけろよ。

お前は持ち前の其の色気で、知らず知らずに色々な男達を魅了しているのだろうな。

…俺か?俺も色々な女性達に声をかけられたり、誘われているが、お前が一番だよ。

お前がお前の隣は俺だけで充分(いい)。と言ってくれたように、俺も俺の隣はお前だけで充分(いい)と思っている。

だから、このままお前とずっと一緒にいられたら。と、願っている。

ったく。恥ずかしがるなよ。まぁ、そんな姿も愛しいけどな。

 

たまに俺はお前の寝顔を眺めながら、銀糸の髪をそっと撫でる。

(俺は何があってもお前を護るからな)

先日、そう誓ったばかりだ。

 

お前の飼っている犬も最近やっと俺に慣れてきてくれた。

最初の方は、ずっと吠えられてばっかりだったからな。

尻尾を振ってきて、撫でてくれ。と懸命にアピールする姿は可愛いものだ。

でも、お前が「抱いてくれ」ってアピールしてくる姿の方が可愛いけどな。

 

ああ…すまない。勝手気儘な独り言だ。

気にしないでくれ。

 

冷たい土瀝青(アスファルト)の上では、さっき首を斬りおとした人形が体液を溢しながら転がっている。

お前は蒼い顔をして、恐怖に震えているが…こんな光景(シーン)は嫌いか?

「大丈夫か?」

「…」

「怪我はないか?」

「…」

「震えているようだが、無理もないな。もう、これで大丈夫だ」

こいつは、お前が言っていた『知らない男』だ。

緑色の列車内で、たびたびお前のことを痴漢していた無礼者。

わなわなと唇を震わせながら、お前は俺に尋ねてきた。

 

 

「…そ…そなたは…一体…なっ…何者だ?」

 

 

※後書き

『意味がわかると怖い話』です(笑)

最後のセリフを思いついて、そこから妄想を広げました。

創造主のバレンタイン

※現パロ

※ヌシ巫女

 

今日はバレンタインだから、大事なあの人にチョコを贈ろう。

 

チョコレートケーキにしようかな

生チョコにしようかな

クッキーもいいな

マカロンなんて可愛いかも

既存品にしようかな

手作りにしようかな

選択肢はたくさん

 

賑やかな時代の華やかな場所。銀座や表参道には、可愛いチョコも綺麗なチョコもお洒落なチョコもたくさん売られている。

 

可愛いチョコが好きな人も。綺麗なチョコが好きな人も。お洒落なチョコを好きな人も、世の中にはたくさんいる。

 

チョコ自体、手間暇かけようが。こだわろうが。

最後は好みの問題だし、お腹の中に入ってしまえば、どちらも一緒なのだけど。

 

どちらを選択しても、あなたはきっと笑顔でこう言うのでしょう。

 

「ありがとう」

「既存品でも手作りでも、人間(ひと)が創造(つく)りだすもの総てが尊い」

「だから、そなたからの贈り物はどれも素晴らしいのだよ」

 

『贈るあなたが喜んでくれそうなもの』

をベースにすれば、あとは何を選ぼうが私の自由ってこと。

 

よし、決めた!

材料買った!

台所に立って、エプロン着用!

準備はオッケー!

 

今から、この世界に私が生まれるまで存在しなかったモノを創造(つく)るよ。

私とあなたが存在しなければ、生まれなかったモノを創造(つく)るよ。

今から、あなたの時間の一瞬を刻むモノを創造(つく)るよ。

ひょっこり伸びている両の手で創造(つく)りだすからね。

 

完成したのは、ちょっと不恰好なハート型のチョコレートクッキー。

オーブンから取り出すと

 

「…ちょっと失敗しちゃったかも」

 

不器用なりに丁寧に作った…つもり

 

こんな状況でも、哀しんで凹むのも。「やっちゃった☆」って、楽しくなるのも、私の自由。

 

きっと、クッキーだけじゃなくて他のコトでもそうかもしれないけど。

思わぬハプニングに、戸惑い面食った時。

それまで真正面から眺めていたものを、角度を変えて、右から眺めたら

怒りだったものが哀しみだったり

哀しみだったものが喜びだったり

そんな時。あなたはきっとこう言うのでしょうね。

 

「何を選んでも尊く、総てが正解だが…さあ、そなたは何を選ぶ?」

 

そうね。今の私は『喜び』を選択するようにしよう。

 

「味は…」

 

ひとつ口に頬張ってみる。

 

あっ、おいしい!

 

「最高!私って天才かも!」

 

ラッピングして、小さくて可愛らしいプレゼントの完成!

世界でたったひとりの為に用意した。たったひとつのプレゼント。

 

「オオクニヌシさん、これ…バレンタインのプレゼントです」

「ありがとう!」

プレゼントを受け取ると、少年のように無邪気に喜ぶあなた。

「うふふ。喜んでもらえて良かったです」

「こちらこそ。私の為に、こんな素晴らしいモノをありがとう」

 

私の方こそ。

喜んでくれるあなたがいてくれて、ありがとう。

 

※あとがき

某つぶやきで、推しキャラの為にチョコを用意する巫女様達を見ていて

「既製品でも手作りでも、気持ちがこもっていればいいよねvv」

と思っていたら

「既存品でも手作りでも、人間(ひと)が創造(つく)りだすもの総てが尊い」

という言葉が、ふっと湧いてきたので、このフレーズから妄想を広げた作品。

 

巫女ちゃん一人称。

可愛いらしい感じにしたかったけど…なったのかな(汗)

愛妻家達の気まぐれな情事

※タイトルに『愛妻家』ってつくけど、全員男の設定でよろ!

※現パロ

 

とある団地。今日も太陽が微笑み、平和な一日が始まる。

 

「起きろ、ヤチホコ」

朝食の用意を済ませたエプロン姿のオオクニヌシが、まだベッドで寝ているヤチホコ(※擬人化)を起こしに来た。

「ほら!ヤチホコ!さっさと起きろ!ご飯が冷めてしまうだろう!」

すると、まだ寝ぼけたままのヤチホコがその逞しい腕でオオクニヌシを引っ張り、ギュッと抱きしめた。

そして、そのままオオクニヌシの首筋にキスのプレゼントを贈る。

「うるせえなぁ。それより、オオクニヌシ。お前はいい香りするなぁ。ヤラせろよ」

「バカッ!それより、そなた。今日は出張だろう?」

頬に紅葉を散らすオオクニヌシ。

「ほら、離せ」

「ああ…そうだったな」

ヤチホコが名残惜しそうにオオクニヌシを解放する。

「早く着替えて準備を」

「ああ、分かったよ」

 

そして、ヤチホコは慌ただしく準備を済ませると、愛妻と共に手作りご飯に舌をうなられた。

「オオクニヌシ。お前は美人だし、優しく穏やかで、飯も美味いし、感度もいい。最高の嫁だよ」

「いきなりどうした?」

「ふふっ、何でもねえよ」

「変な奴だな?そんなに島根への出張が嫌か?」

「別に。ただお前が綺麗だ。と、思っただけだ」

「ふふっ。何かと思えば、急に」

オオクニヌシが一笑する。

「おっ、時間だ。そろそろ出るか」

ヤチホコは出かける直前、オオクニヌシの口唇(くちびる)にキスをした。

「行ってくる」

「ああ、行ってらっしゃい」

 

昼頃だろうか。オオクニヌシが洗濯物を干していると来客を告げる音がした。

 

ピンポーン

 

「はーい」

オオクニヌシが玄関の扉を開けると、そこには黒縁メガネをかけたスーツが良く似合う長身の美青年が立っていた。

「初めまして。私、石田散薬の土方と申します」

土方と名乗る青年は、営業用の丁寧な笑みを浮かべ、両手で名刺を差し出した。

(モデルでもしていたのか。美しい男(ひと)だな)

オオクニヌシがその端整な顔立ちに見惚れていると、その熱を帯びた視線に気付いた土方はニコッと笑った。

(銀糸の髪にオッドアイの瞳(め)か…すごいな。惚れ惚れするな…)

表情(おもて)には出さなかったものの。土方もオオクニヌシの姿に思わず感嘆詞が漏れそうになっていた。

(いけない。いけない)

と、我に返ったオオクニヌシは話の続きを始めた。

「で、土方さん。ご用件は?」

「失礼しました。当社は薬の訪問販売を行っておりまして。良かったら、ご自宅にひとつ配置薬は如何でしょうか?」

「配置薬か…」

「もし良かったら、パンフレットを置いていきますので、ご検討下さい」

そう言って、土方はセンスの良い黒いビジネスバッグの中からパンフレットを取出し、オオクニヌシに手渡した。

「はっはい」

一瞬。指と指が触れ、オオクニヌシは気恥ずかしくなった。

「ああ、乾燥肌対策にオススメの化粧品があるのですが、もし良かったらサンプルを差し上げますが…如何でしょうか?」

「頂こうかな」

センスの良い黒いビジネスバッグから試供品を土方が取り出した。

「突然の訪問、失礼致しました。では、私はそろそろ」

(もっと、土方さんに滞在(いて)欲しいものだな)

花盛り色盛りの願望がひょっこり表へ顔を出す。

「土方さん」

「何でしょうか?」

「中でお茶でもしていかないか?」

突然の申し出に土方は拍子抜けをした。

「お茶ですか…?」

「あっ、いや。すっすまない。忙しいのに」

すると、土方の口から思わぬ返事が返ってきた。

「いいですよ」

 

そして、土方を家に通し、緑茶を入れ差し出す。

「そういえば、この頂いたサンプル。全身用に使えると書いてあるが…唇にも使えるのか?最近、唇がカサカサするのだ」

「ええ、使えますよ」

こんな風に。と、小さく呟くと土方はサンプル品の封を開けると、右手の薬指でオオクニヌシの唇に塗り始めた。

「どうです?」

「いい香りがする。花の香りだな」

「ええ、そうですよ。ラベンダーの香りです。お嫌いですか?」

「いいや」

オオクニヌシが土方の右手の薬指をそっと軽く甘噛みした。

「好きな香りだ」

そう言って微笑む顔が、土方を誘惑する。

そして、土方を上目遣いで見つめながら、ゆっくり土方の手の甲と指を舐めはじめた。

「…指だけで満足出来ますか?」

ゆっくりとオオクニヌシは首を横に振った。

「いいや」

その回答を聞いた土方は黒縁メガネを外した。

「いいのか?お前、人妻だろう?」

土方はオオクニヌシの左手の薬指に光る輝きを見つける。

さっきまでの丁寧な言葉使いが嘘のようだ。

「私は只現時点(たったいま)、そなたが善いのだ」

「そうか。俺もお前が善いと思っていたところだ」

土方はオオクニヌシと口唇を重ねた。

 

「んんっ…」

甘美な声と激しい息遣いが部屋中に響く。

「も…もう…ダメ…」

獰猛な本能がぶつかり合い、銀糸の髪がベッドの上で乱れる。

「そっ!そんなに…激しいとイってしま…う…ああっ!やっ…ヤチホ」

思わず、ヤチホコの名を口ずさみそうになった。

土方はオオクニヌシの顎を掴んで、ぐいっと上に上げた。

「今、思わず旦那の名前を言いそうになっただろ?」

「あ…ああ、すまない」

「今は俺のコトだけ考えろよ。奥さん」

そして、土方は唇を重ねながら、より激しい衝撃をオオクニヌシに与えていった。

快楽に酔っていく中で、ある物音が耳に入ってきた。

 

カチャ

 

(…今の音は?)

 

誰かが鍵を開けた音だ。

 

(ヤチホコは出張のはずだが…?)

 

「お楽しみの最中。失礼」

聞き覚えのある声がする。

「旦那(おれ)がいない間に、間男を自宅に連れ込むなんてたいしたものだなぁ。オオクニヌシ」

いつの間にか。出張に行っているはずのヤチホコが異様な笑みを浮かべながら、部屋の片隅に立っていた。

(ヤチホコ!?)

「そなた、出張では!?」

「ああ、あれか。嘘に決まっているだろ」

「嘘だと!?」

素っ頓狂な声をオオクニヌシは上げた。

驚いているオオクニヌシとは反対に、土方は不気味なほど冷静で落ち着いていた。

「いい妻だろ?そう思わないか。土方」

「ああ、そうだな」

「ヤチホコ。何故、そなた。土方の名前を知っている?」

「新宿の飲み屋で出会って意気投合したんだ」

「はあ」

オオクニヌシはいまいち事情が呑み込めないでいた。

「で、ある日。俺は土方に話したんだ「3Pをしてみたい」「愛する妻と」って」

「はい????」

「そしたら、土方も話に乗ってくれてな」

「じゃあ『間男遊戯(まおとこごっこ)』をしてみよう。という話になったんだ」

「で、まずはお前…オオクニヌシが土方を気に入るかどうか。というのを試したかったのだが、まさか初対面でセックスまでしてくれるなんて、最高の淫乱妻だな。さあ、すっかり元気になっちまった俺を舐めろよ」

どうやら、オオクニヌシはヤチホコに嵌められたようである。

しかし、不思議に嫌悪感は無かった。

 

「くっ…相変わらず巧いな…」

オオクニヌシが尺八を行うと、ヤチホコの息が徐々に荒くなってきた。

「奥さん。俺のも相手しろよ」

土方はローションを塗りながら後ろからオオクニヌシを攻めはじめた。

「んんっ!!」

後ろからくる快楽に耐えながら、尺八を続けた。

 

ヤチホコが口中で射精をした。

そして、次に土方が体内に射精をして、オオクニヌシは性的絶頂(しょうてん)した。

 

白濁まみれのオオクニヌシをヤチホコは優しく撫で、土方はそっと毛布をかけた。

「初めてだったが、良かったな。土方」

「ああ、そうだな」

「次回(つぎ)は何をする?」

「そうだな。次は――――――」

次回を考えている2人の愉快(たのし)そうな声に、オオクニヌシは気付くことは無かった。

 

 

☆後書き

日○ポルノ風ヤチヌシ×土方×オオクニヌシ

 

偽・国譲りΑ糎殿緤圈ζ常〜

これは眷属・心の日常のお話

 

ハジメのスパルタ教育のかいもあり、心の剣術の腕前はどんどん伸びていった。

「お疲れ様でした〜」

 

深夜まで及んだ訓練が終わり、心は自室へと戻り、部屋の扉を開けると

 

其処に奴はいた。

 

「きゃあああああ!!!!!!」

 

部屋に大きな黒光りの害虫が一匹現れたのだ。

仮に、この害虫をGと呼ぼう。

 

「驚きすぎゴキ」

「いやあ!!ゴキ!!部屋にゴキがいるうううううう!」

Gが普通に話せることにたいしての疑問など、心の頭には浮かばなかった。

「G〜G〜G〜(※注・笑い声)。小娘。パニックになっているゴキな」

「いや〜!こないで!!誰か助けて!!」

 

ドンドン!

 

慌てて部屋を飛び出し、心はクロの部屋の扉を叩いた。

 

しかし、応答は無い。

(しまった…今日、ミイノカミ様の護衛で泊まりで不在(いない)のだった…)

そして、次にハジメの部屋の扉も叩くが、まだ稽古場にいるのであろう。部屋には戻っていないようだった。

(どうしよう…)

「あいつには頼りたくないけど…仕方ない…」

 

ドンドンドン!!

 

オオクニヌシの部屋を激しくノックすると、オオクニヌシが不機嫌そうな様子で出てきた。

「バカ小娘か。どうした?」

「部屋にGが出たの。倒してくれない?」

オオクニヌシはため息を吐く。

「バカバカしい。手前で何とかしろよ」

「いや!無理!!」

「まぁ、奴らも核戦争があっても生き残るなんて言われている位、生命力が強い虫だからな」

「だから、なんとかして!!」

「仕方ねえな…ちょっと待ってろ」

そう言って、部屋の奥から便所サンダルを持って来て心に手渡した。

「コレで何とかしろ」

「えっ?」

「コイツは、核でも死なないアイツらを一発で仕留められる最強の兵器だ」

そう言って、オオクニヌシは扉を閉めた。

 

「マジで…?」

どうやら自力で頑張れ。ということなので、心は肩を落として自室に戻って行った。

Gはまだ部屋の壁に留まっている。

「覚悟しなさい!駆逐してやるから!」

「やるかゴキ?貴様には負けないゴキ」

「あああああ!!」

「ゴキイイイイイ!」

G対人類の戦いが始まった。

 

しかし、数分後。劣勢を感じたGは、人の手が届かないような部屋の奥に逃げ込んでしまった。

「あっ!!」

「今夜は恐怖に怯えて寝るといいゴキ!!」

その通りである。このままでは、いつ奴が出てくるか分からない。Gを倒さない限り、そんな恐怖から解放されることはない。

(どうしよう…このままでは安眠が出来ない)

 

ドンドンドンドン!!

 

「オオクニヌシ様!!オオクニヌシ様!!」

再び、ご機嫌斜めのオオクニヌシが扉を開けてきた。

「こんな時だけ『様』扱いかよ…何だ?」

「Gが奥に逃げて捕まらないの!」

「ったく、しょーがねえ奴だな。コレ、使え」

そして、オオクニヌシはホイホイハウスを手渡しした。

「あの…ホイホイもいいのだけど…もっと、ほら…即効性のあるのがいいのだけど…」

「即効性??分かった。コレを使え」

そして、くん煙タイプの殺虫剤を心に手渡しした。

「助かった!これなら、確実に殺せるわ!」

心は部屋に戻ると、其れを中央に置き、水を入れ始めた。

「さあ、覚悟なさい!」

扉を閉めて、心は勝ち誇ったような表情(かお)をしていた。

「勝った…やっと…」

しかし、彼女はあるコトに気付いてしまう。

 

 

「しまった…私、今夜。何処で寝よう…」

 

ドンドンドンドンドンドン!!

 

「うるせーな!今、何時だと思っている!!!」

不機嫌MAXなオオクニヌシが乱暴に扉を開けた。

「一緒に寝てもいい?」

「は???何だ?夜這いしにきたのか??それとも俺を殺しに来たのか?」

「あんたも殺したいけど、今はあんたを殺すことより、部屋にいるGを殺す方が優先だから!」

「そーかよ。で、どうした?」

「部屋でくん煙式の殺虫剤使ったら、部屋に戻れなくなっちゃって…寝るとこが無いの」

「廊下で寝ろ」

「嫌!寒いもん!風邪ひいちゃう!!」

「仕方ねえな。ほら、予備の蒲団がそこにあるから、それを使え」

「ありがとう」

そう言って、少し心の余裕が出来てきた心は小刀をオオクニヌシに投げた。

勿論。見事にキャッチされ失敗に終わってしまう。

「ったく。いいから、さっさと寝ろ。俺は厠に行ってくる」

 

そして、そのままオオクニヌシが部屋に戻ってくることは無かった。

心はそんなことに気が付くこともなく、そのまま熟睡したまま朝を迎えたという。

 

ちなみに、それがハジメにバレて雷を落とされたということを付け加えておこう。

 

☆後書き

スピンオフです。

夏に考えたネタだったのですが、なかなか書く機会が無くてやっと書けたという(笑)

 

今、ふたたびの君へ

土方×オオクニヌシ

 

年始ということもあり、天の国の君主であるオオクニヌシの元へ各国の使者達が挨拶に訪れていた。

「こんな素晴らしい贈り物を…ありがとう。ああ、そう言えば…宮前殿はお元気ですか?ここ最近、お姿を見えないのですが…」

宮前というのは、馴染みの使者のことである。

彼が子供の頃から天の国を訪れてきてくれて、其の成長をオオクニヌシは親のような気持ちで見守っていた。

その名前を聞いた使者の顔が曇ってくる。

「宮前は…亡くなりました」

「亡くなった!?」

「はい。半年前に病気で…」

「そうですか…」

オオクニヌシは、その後の言葉を出すことが出来なくなってしまった。

「では、我々はこの辺で失礼致します」

 

使者達が帰って行った後、オオクニヌシはひとり花畑に向かった。

そして、そのまま大の字に寝転び、ただじっと空を眺めていた。

静かに空を泳ぐ雲を眺めていると、頭が無くなってしまったかのような。そんな心地よい浮遊感を味わうことが出来る。

(またか……皆、私より先に逝ってしまう…)

悠久の時を生きるオオクニヌシにとっては、それは宿命である。

(大概が借り物である事実(こと)は知っているが…しかし…やはり、少し寂しいものだな…勿論、あの者も例外なく…)

感傷がオオクニヌシを誘おうとした其の瞬間。

「何をしている?」

土方の声が耳に入る。

「…ああ、その声は…土方か」

天の国で長期休暇(バカンス)を過ごしている土方が、オオクニヌシに声をかけてきた。

「顔色が優れないようだが…?大丈夫か?」

銀糸のような髪が風に揺れ、少し虚ろな瞳(め)をしているオオクニヌシの頬を土方はそっと撫でた。

「すまない。何でもない。冷えたのだろう。心配しなくていい」

すると、土方はオオクニヌシの頬を両手で挟んだ。

「ならば、俺を見ろ」

「?」

「視線を逸らすな。お前の瞳(め)に俺を映せ」

オオクニヌシは土方の鋭い瞳(まなこ)と視線を合わせたまま、腕を伸ばし、そっと指で土方の頬に触れる。

「ああ」

(そうだ。生きているそなたが此処に存在(いる)という事実は、考えてみれば何と尊いことか…)

「で、お前は何をしていた?」

「『無』になっていた」

「『無』??」

「何と呼べばいいのか私にも分からないが、空を眺めていると…頭が無くなって、皮膚が溶けていくような…じきに、外と身体の境界線が無くなっていく。この感覚が好きなんだ。死んだことがないが、きっと『死』とは『死後の世界』とはこういう感覚なのだろうな」

「なるほど。そういうことか」

すると、オオクニヌシの隣で土方も大の字に寝転んだ。

「俺も、たまにはゆっくりと空でも眺めてみるか」

「ふふっ、そうしたらいい。此処はゆっくり時間が流れている。たまには身体を忘れてもいいと思うぞ」

すると、土方はオオクニヌシに覆いかぶさってきた。

「そうだ。浮世は姦(かしま)しいから。ただ…」

「土方?」

土方はオオクニヌシの口唇(くちびる)を塞いだ。

「どっどうした??土方??」

「俺の生き血が騒ぐ。俺は現在(いま)お前と溶け合いたい。理由は、唯一(ただ)それだけだ」

そう言うと、土方はオオクニヌシの首筋に舌を這わせた。

「ちょ…土方…」

「白くて綺麗な肌だな」

「やめ…んっ…」

首筋に自分の所有物だと訴える花びらを散らす。

口付けを重ね、舌を絡ませながら、じょじょに着物を脱がしていく。

「こっこんなとこ…誰かに見られたら…」

「「興奮してしまう」って」

赤面するオオクニヌシを見て、意地悪そうに土方が笑う。

「莫迦!ち…ちが…ああっ!!」

優しい愛撫と激しい愛撫の交互に、オオクニヌシは嬌声を上げた。

「ああっ!!」

放出された白濁。

「何だ?もう我慢の限界か?」

「くっ…気持ちよくて…つい…」

善(よ)がるオオクニヌシの右手を自らの下半身に触れされた。

「俺も気持ちよくさせて頂こうか?オオクニヌシ殿」

うんうんと頷くオオクニヌシは、土方自身を取り出すと丁寧に舌で愛撫をし始めた。

「巧いな」

紅と金のオッドアイが、上目使いで土方を見てくる。

その蠱惑的な表情に土方は眩暈がした。

「んっ…」

土方の声が漏れると、オオクニヌシが少し微笑む。

「出していいぞ。土方」

「くっ…」

白濁がオオクニヌシの整った顔に飛び散る。

「これで、おあいこだな。土方」

顔面から滴り落ちる白濁を拭う事もせず、その長い指ですくいながら、恍惚とした表情で、まだ土方のぬくもりが残る其れをペロッとオオクニヌシは舐めた。

「そのようだな」

「ふふっ…気持ち良かったぞ。土方」

そして、2人は再び大の字に寝転んだ。

 

「…なあ、オオクニヌシ殿」

「どうした?2回戦か?」

「いや、それもしたいが…もしも、俺が死んで再び生まれ変わったとしても、お前は再び俺を見つけ出してくれるか?」

「何を急に言い出すかと思えば?どうした?」

「いや、此の空を眺めていたら…何となく、そんな莫迦みたいな妄想を。莫迦みたいな質問をしたくなったのさ」

オオクニヌシは一呼吸置いてから、返事をした。

「…そうだな。私は今まで気が遠くなるような時間(とき)を生きてきたし、これからも万代(ずっと)そうやって生きていく。だから、そなたのことを見つけられるとは思うぞ」

「そうか。なら、安心した。次の俺は、今の俺に似ても似つかないような姿になっていたりしてな」

「似ても似つかない…可愛い女の子とか?」

「女の子か!いいな!『狼』『鬼の副長』の俺に、可愛いなんて形容詞は想像がつかないな」

「真逆だな」

「ああ」

「誓おう。必ず、私はそなたを見つけよう」

「では、俺も誓おう。必ず、俺はお前に逢いに行く」

 

それから、何年何十年何百年何千年何万年が経過したことか。

 

自室で、茜色の空を眺めていたオオクニヌシの部屋に従者がやって来た。

「失礼致します。オオクニヌシ様。来客が…」

「私に来客?分かった。通してくれ」

そして、通された来客の姿を見たオオクニヌシの直感が脳に囁く。

 

(嗚呼、此の娘(こ)だな)

 

その娘は、自己紹介を始めた。

「初めまして。オオクニヌシさん。私は太陽の巫女で、名前をーーーー」

 

 

 

『お帰り、最愛の者(ひと)』

 

 

 

☆あとがき

ちゆうさんの企画「アカセカBL年末年始企画」に書いた作品

18禁がNGだったので、H部分を含めたものはここで公開。(ちゆうさんの企画には、ほのぼのバージョンを投稿)

タイトルもちょっと変えました。

年末年始がお題だったのですが…お題からズレてる感、半端ない(涙)

 

最初に、このオチが浮かんできて、そこから逆算するような感じで書いていきました。

ちなみに、個人的に裏テーマは、ずばり『死』でした。

と言っても怖い感じというよりも

 

「性的な意味での『死』」

「2017年から2018年という新しい年への変化(古いモノから新しいモノへの移動)」

という意味での広い意味です。

最後まで読んでくれて、ありがとです!

幸せを贈る者

JUGEMテーマ:創作活動

土方×オオクニヌシ

 

万代(えいえん)を生きる者のもとへ、刹那を生きる狼が贈り物を届けにやってきた。

「オオクニヌシ殿」

「ああ、その声は土方殿」

「入っていいか?」

「どうぞ」

土方は、部屋に入るとオオクニヌシの前にお盆に乗せた雪ダルマを差し出した。

「…これは?」

「お前への土産だ。雪を見たことが無いと言っていたのを、思い出してな」

さあ、どうぞ。とでも言うように、土方はお盆を差し出した。

「ありがとう。土方殿…」

すると、土方は隠していた雪をオオクニヌシの頬に当てた。

「冷たっ!!」

まるで、沖田のようなことをする。

「いつもお前が寂しそうな表情(かお)をするから、驚かせたくなった」

「驚かすな…しかし…今のが…雪か…雪とはこんな感じなのだな…」

オオクニヌシが少年のように微笑む。

「溶けない内に、これを仕舞っておこう」

オオクニヌシが雪ダルマが乗ったお盆を運ぼうとした時。

土方はオオクニヌシを抱きしめた。

「すまない。本当は…お前を俺の国に連れて行って、雪見なり雪遊びでもさせてやりたいが…それは、出来ないことになっているからな」

「…土方殿」

「いつまで「殿」をつける?「土方」で構わないと言っただろう?」

「ああ、そうだったな。土方。さあ、離してくれ。せっかくの雪ダルマが溶けてしまう」

土方が名残惜しそうに腕を離していった。

「ありがとう。そなたの其の気持ちだけで、私には充分だ。それに、こんな可愛らしい土産までもらって…私は幸せ者だ」

頬を赤く染め恥じらう其の姿は、土方の目にとても可愛らしく映った。

「…オオクニヌシ殿」

オオクニヌシの口唇(くちびる)に自分の口唇を重ねてきた。

「無理をするな」

「土方…」

「俺が…少しでもお前を癒してやる…」

そして、土方がオオクニヌシの着物に手をかけた時―――

 

「オオクニヌシさ〜ん!土方さ〜ん!夕飯の支度が出来ましたよ〜!」

遠くから巫女の声が聞こえた。

ふっと土方が笑う。

「だそうだ。またこの続きは後だな」

「ああ、では、また後で」

再び口づけをして、夜の約束を2人は交わした。

 

☆あとがき

初土方×オオクニヌシ。

ついに…ついに、やっちまいました…土ヌシ…

 

 

幸贈祭〜前夜祭〜

JUGEMテーマ:創作活動

ヤチホコ×オオクニヌシ

 

やあ、今晩は

見て

触れて

嗅いで御覧

感じて

忘れて

享楽に溺れて

狂っていくのがわかるだろう

しくじるな

概念なんて飛んでいく

 

 

 

其の晩、オオクニヌシはヤチホコに新しい着物を披露していた。

白地に赤と金と緑が使われた華やかな衣装は、幸贈祭に相応しい。

「どうだ。この衣装。いいだろう?」

「何がいいのやら…脚が丸見えだぞ。」

やれやれという感じで、ヤチホコがため息をつく。

オオクニヌシより一回りほど大柄で、背の高い筋肉質の美青年―――此れは、人間の姿に化けたヤチホコである。

「明日、巫女が各国の者達を連れてきてくれるそうだ。剣士と作家とお笑い芸人…いや、僧侶と言っていたかな。あれ?芸人?僧侶?どっちだ?」

「其の衣装。その中の誰かを誘うつもりなのか?」

「誘う?…なんだ。嫉妬か?ヤチホコ?」

どうやら図星だったようで、ヤチホコは声を荒げた。

「うるさい!」

「ふふっ。お前も可愛いとこがあるのだな」

「しかし、其の衣装。本当に脱がせたくなる衣装だな。」

ヤチホコはオオクニヌシに近づくと、そっと露わになっているオオクニヌシの太ももに触れた。

「どうしたヤチホコ?さては、欲情したのか?」

そう答える口唇(くちびる)が、ヤチホコを誘(いざな)う。

「誘ってきたのは、お前の方だろ?わざわざ、こんな夜更けに俺を呼び出して…ただの服飾披露会(ファッションショー)が目的だとは言わせないぞ」

其れを聞いて、ふっとオオクニヌシが笑う。

ヤチホコから見た此の男。非常に蠱惑的で何度も何度も身体を重ねてみても、厭きない不思議な魅力がある。

 

「私も、ただの服飾披露会で終わらせるつもりは毛頭ない」

「オオクニヌシ…お前…」

ヤチホコはオオクニヌシの太ももを触ることを続けた。そして、其れはより奥へ。より深くへ侵入していった。

「ん…あっ…」

触れられるたびに。

その体温と指の動きを思い出すたびに。

オオクニヌシはヤチホコによって、かつて身体に刻まれ、そして蓄積されていった快楽の記憶が浮上していくのを感じていた。

「もう鳴いているのか?まだ触れただけなのに」

「ふふっ…お主のココだって、もうはち切れんばかりに膨張(ふくら)んでいるぞ…そんなに私が好(い)いか?」

オオクニヌシの長い指がヤチホコ自身を掴み、愛撫する。

「ったく!…淫乱君主には、お返しをしないとな」

ヤチホコはオオクニヌシの褌を脱がし、オオクニヌシ自身に触れた。

「あっ!!」

小さな悲鳴が口唇から零れる。

「ほら、もっと鳴けよ」

嬌声をあげ、紅潮し涙目になったオオクニヌシをヤチホコは愉快(たのし)そうに眺めていた。

「ヤチホコ…」

「どうした?」

オオクニヌシは自ら口唇を重ねてきた。

そして、口唇が離れるとヤチホコへ懇願をし始めた。

「入れろ…私の中へ…お前自身を…」

ヤチホコは快楽に溺れるオオクニヌシの姿を見ながら、こんな事を考えていた。

(こいつのこんな姿を民が見たら、何て思うのだろうな…)

おそらく『穏やかで優しい君主』というのが大半のイメージだろう。

(気品溢れる穏やかで優しい君主も、所詮は動物。大自然の一環と云うことか…)

「どうした…ヤチホコ…?」

続きはどうした?早くこいよ?と、オオクニヌシは濡れた瞳で催促をする。

「いや、何でもねえよ」

お望み通り中に入れ、動かすとオオクニヌシは嬌声を上げた。

「おい…衣装が…汚れるぞ…」

「ああ…そうだな…って、もう遅いか…ふふっ…」

「なら、このまま続けるぞ」

「ああ…そうしてくれ…」

(俺好みの表情(かお)をしやがって…こいつ…)

(其れを分かってこの表情を創っているのならば…たいしたものだぜ)

「ヤチホコ」

オオクニヌシがヤチホコの耳元で囁く

「愛してる」

甘美な香りと少しの毒を孕んだ言葉

「ああ…俺もだよ」

(酔ってしまいそうだ。此の男に。しかし、俺は本当に…)

 

―――――お前が依々(いい)。お前を離すつもりはない。今も。これから未来(さき)も。

 

 

初ヤチホコ×オオクニヌシ

やまなしおちなしいみなし(爆)

迷宮

JUGEMテーマ:創作活動

※流血描写あり

※一部グロあり

 

天の国でも幸贈祭が開催されて、集落は盛り上がりをみせていた。

雪の代わりに桜が天上と地上を舞い、プレゼントを受け取った人々は歓喜の声を上げていた

「すごいですね」

「ああ、皆。この日を楽しみにしていたからな」

太陽の巫女・朱里とオオクニヌシは、その様子を眺めて祭りの成功を感じていた。

「夜になったら、桜もライトアップされて、屋台も出る。そなたさえ良かったら、私と一緒にまわらないか?」

オオクニヌシからの誘いに、朱里は二つ返事で答えた。

「はい!勿論」

「ただ、これから私は仕事に戻らなくてはいけなくてな。18時に、この広場で待ち合わせでいいか?」

「分かりました。じゃあ、それまでちょっと暇つぶししてますね」

「ああ、そうだ。ちょっと待ってくれ。そなたに屋敷の者を誰か付けよう」

「ええっ!?大丈夫ですよ!」

「そうか?」

「私ひとりで大丈夫ですよ」

「分かった。そうだ。一つ忠告してもよいか?」

「はい?」

「この近くに竹林があるのは知っているな?」

「はい」

「広場を通るのに、その竹林は近道になるのは知っているな?」

「はい」

「日が沈んだらそこは通らないように」

「どうしてですか?」

「天の国は平和な国だが…夜に、娘ひとりがあそこを通るのは危険だ。化け狐が出るなんていう良からぬ噂もある」

「はーい」

「…本当に一人で大丈夫か?」

なんとなく不安を隠せないオオクニヌシが確認をしてきた。

「大丈夫ですよ!!じゃあ、また18時にここで!」

朱里は返事をして、一旦オオクニヌシと別れた。

 

数時間後

「しまった!待ち合わせの時間まであと10分しかない!」

すっかり祭りに魅了されていた朱里は我に返り、慌てて待ち合わせ場所まで走って行った。

(走れば間に合うかな…)

途中、例の竹林が目に入ってきた。

「そうだ。あそこ、近道なんだよね…」

ふっと、オオクニヌシの

「日が沈んだら、そこは通ってはいけない」

という忠告が頭に浮かんだ。

(でも、確か走れば5分位で広場に行けた気もするし…)

(走れば、大丈夫だよね)

オオクニヌシの忠告を無視して、朱里は竹林の中に入って行った。

 

「…こんなに、ここって広かったっけ??」

走りながら、朱里は不安に襲われていた。

(やけに距離があるように感じるのは、夜だからかな…)

「大丈夫か?」

後ろから聞き覚えのある声がして、振り返るとそこにはオオクニヌシが立っていた。

(オオクニヌシさん??いつの間に??)

気配を全く感じなかったことに疑問を持ちつつ、朱里はこのオオクニヌシに何とも言えない違和感を持った。

「遅いから、心配したぞ。さあ、行こう」

オオクニヌシが柔らかな笑みを浮かべ、右手を朱里に差し出してきた。

「…大丈夫です。子供じゃないので。後ろからついていきます」

「そうか」

オオクニヌシが歩みだしたので、朱里はその後に続いた。

他愛もない話を続けても、一度浮上してきたあの違和感は消えなかった。

(そうだ!)

「あの、オオクニヌシさん」

「どうした?」

「一昨日。ニニギ君が主催してくれたお茶会って覚えてます?」

朱里は少しずつ、少しずつオオクニヌシに気付かれないように距離を離していった。

「覚えているが、それがどうかしたのか?」

「あの時、オモイカネ君が持ってきてくれた蜂蜜梅覚えてます?」

「ああ」

「美味しかったですよね。オオクニヌシさん、2つ?3つ食べていましたよね?」

「そうだな」

(やっぱり、そうだ!!!!)

巫女は駆け足で逃げ始めた。

「どうした!?何故、逃げる!?」

「あなたが、オオクニヌシさんじゃないからに決まっているでしょ!!」

「一昨日、お茶会なんて開催してないし!オオクニヌシさんは梅干し苦手だから、食べないもの!!」

オオクニヌシが呆れたような表情(かお)を浮かべながら、やれやれと呟いた。

「小娘が。カマかけやがって…」

「まあ、いい。正体がバレてしまったなら…あいつが、誰かに見つかる前にさっさと殺すまでだ」

偽者のオオクニヌシは懐から刀を取り出した。

刀は生き血を求めるように、月光を浴びて不気味に鈍く光っていた。

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